癒しは悲嘆を十分に味わった後に。
癒しは悲嘆を十分に味わった後に。
癒しはいつ私たちに訪れるのだろう?
一体いつになれば、この深い悲しみは癒えていくのだろう。
私たちは、悲嘆を抱える方と接する度にそう思う。
だからずっと悲嘆に暮れている方に対して、
慰めをしたり、気分転換に趣味にさそったり、
買い物や食事に誘うことがあります。
それはやはり、ただじっと悲しみに寄り添い、
目の前の悲嘆を抱える方と一緒にいることができないからであり、
それ以外の方法でなんとか前を向いて欲しいと願うからです。
ただ、癒しは深いかなしみに触れて初めて、
目の前の方の心の奥から湧き上がってくるものです。
その為、一時的に悲嘆から目を離しても、
その体験を先延ばしにしも、根本的な解決にはなりません。
そればかりか、先延ばしにしてしまうと、
後でその分余計に苦しみが強くなる。
そんなことも起こり得るのです。
悲しみには、しっかり味わうことであり、
しっかりと体験することなのです。
悲しみがあなたを襲ってきたら、
悲しみに身を任せて、涙を流してください。
その悲しみがいつまで続くのか、
私にはわかりません。
ただ今は、悲しみに身を任せて泣いてください。
それは一日続くかもしれません。
何か月も続くかもしれません。
心ゆくまで、泣いてください。
それほどの事だったのですから。
そして、悲しみに身を任せて、
涙を流していると、
怒りに気づく時があります。
その時は、沢山怒ってください。
「なぜ死んでしまったの!?」
「一緒に生きるっていったのに!」
怒りを言葉にしてみるのもいいでしょう。
言葉に出来ない時は、
その怒りを書きなぐってもいいでしょう。
タオルを持ってきて、
タオルでクッションに怒りを思いっきりぶつけてもいいでしょう。
これまでに溜まったあなたの心の中の怒りを、
体からどうぞ出してください。
ただ、どうか無理やり怒りを出そうとしないでください。
どうか無理やり悲しみを感じようとしないでください。
ご自分の気持ちを大切にしてください。
気持ちが出てくるにも、
人生に季節があるように、
人の気持ちにも時期があるのですから。
悲しみを十分に味わった後には、
スッキリとした解放感と共に、
穏やかで、少し暖かい気持ちが
あなたの心に中に残っていることに、
きっと気づくはずです。
癒しは悲嘆を十分に味わった後にくるのですから。